イタリア製本工房の日々

「イタリア、リミニの工房で一冊、一冊、それぞれの本の個性を探りながら製本中」でした。そして2012年からは新たな場所で活動予定。

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イタリア製本家修業中

私は、今、イタリアで製本家修行中だ。

もう何度イタリアで聞かれたかわからない。
「日本人?ここで何してるの?勉強?仕事?」
この質問は何度も何度も初めて会う人に聞かれた。たぶん海外で暮らすと誰もがされる質問のはずだ。
「日本人です。製本を習っています。」または「日本人です。製本家になる予定です。」私は答える。
そして相手は聞きながらいつもわからないという顔をする。なぜなら、この“製本家”というイタリア語単語。イタリア語の“R”の発音のできない私には、とにかくやっかいな単語だ。イタリア語の“R”は、昔の子供たちが一度は挑戦したことがあるであろう、その昔の電話の呼び出し音、プルルルルのルルルの要領で発音する。らしい。そして、私はこれができない。今も、できない。さて、製本家というイタリア語単語、書くとこうなる。

Rilegatore リレガトーレ 製本屋、製本家(男性)
Rilegatorice リレガトリーチェ 製本家(女性)単語の最初に“R”、合計2つの“R”。そしてまた困ったことに“L”もある。“R”と“L”の違いをきっちり発音、できない。最悪である。

そしてもうひとつ、私の想像だが、イタリア人にとって製本家修業に来る日本人、外国人は珍しいのだろう。今はイタリア人でさえ、製本屋になる人がいない。事実、イタリアには各町にと言っていいほど必ずある(あった)製本屋が年々姿を消していっている。理由はいろいろと考えられるが、職人の高齢化、コピー屋などプラスティック製のファイルなどでの簡易製本?店の登場、また文具店、スーパーに行けば個人で綴じることのできる商品も売られている。テープでペタッと補修も可能だ。
そしてそもそも“本”がそう高価なモノではない。技術により、本に使われる紙質を落とし、職人が一字一字活字をひろって文書を組んでいたものが、パソコンの登場で、キーボードで入力された文書を簡単に印刷し、と、単純に考えても、本が貴重だった時代に比べ、安く早く簡単に作られることがわかる。安いから本の読み捨てもありうる。さらにipadなどの登場により、読むだけであれば紙の本である必要は無いという方もいるだろう。

そんな中で、日本人がイタリアに来て製本家修業。
私がイタリアに来る前、何度も何度も本当に製本家になりたいのか自問自答し続けた。たくさんのアドバイスももらった。良い事も悪い事もすべて含めて。

しかし、それでも私を突き動かした“何か”によって、今、私はイタリアにいる。

このようなわけで、このブログには、製本家、工芸製本という素晴らしい世界のことを知ってもらいたい熱い想いと、イタリアでの製本家修業の日々を書いていきたいと思う。
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ジャンル : ブログ
テーマ : 今日のブログ

[ 2010/12/12 19:55 ] はじめまして piacere | TB(-) | CM(-)


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