イタリア製本工房の日々

「イタリア、リミニの工房で一冊、一冊、それぞれの本の個性を探りながら製本中」でした。そして2012年からは新たな場所で活動予定。

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色彩感覚

ドイツについて私の知っていることってなんだろうと考えてみると、
本当に知らないことばかりで、このブログを通じて知り合っ方から、
ドイツと言えば、ホワイトアスパラですね!との情報で、「そうなんだ~」と初めて知り、
友人からのドイツは美味しいパンがたくさんあるよ。で「へ~」とうなずくのである。

そんな乏しいドイツ知識の中で、ふと、もう随分前であるがお目にかかったことのある
からくり人形師の故•西田明夫氏が言われていたことを思い出した。
西田氏の作品に出会ったのはある友人(当時は私の上司であった)が、
私の製本への情熱を知り、きっと何か感じるところもあるだろうし、気に入るだろうと、
ちょうどその時開催されていた福岡での展示会に誘ってくれたのがきっかけであった。
西田氏の作品は、本当に緻密で、美しい。
小さなマッチ箱のようなサイズの木製オルゴールから、とても大きなストーリー性のある作品まで
とにかく目にした人の心をすっかり奪ってしまう魅力がある。

さて、その友人の計らいもあり、お話をさせていただく機会にも恵まれ、
その当時、西田氏がドイツの職人と仕事をしていることなど話されていたのだが、
一つ印象的に残っている言葉がある。
日本からドイツはとても遠い場所であるが、
色については、西田氏が望む色の感覚と同じ感覚を西田氏が知り合ったドイツ人達は持っている。
“赤色”を思い浮かべるとき、お隣の韓国や中国の人々が思う“赤”と、
日本人の赤とは色味に随分差が出てくるにもかかわらず。と。
そのようなことを言われていたと記憶している。
ちょっとしたことではあるが、その国の空港を降り立ってから、
言葉や文化や街の作りも違うにもかかわらず、
なんとなく親しみが持てたりする理由の一端に
色から受ける感覚というのは特に言葉に出す訳ではないけれども、かなりあるのではないかと思う。
当然、個人の好みによって、そこそこで受ける感覚は違ってくるだろうけれど。

さて、福岡の実家には西田氏の作品が2つある。
一つは、黒いフード付のマントを来てほうきにまたがる魔女。
壁から壁へと凧糸のようなものを張りつめた上に、
魔女の足下についているこれも木製の滑車の部分を乗せると、
魔女が自転車をこぐような風で、凧糸の上を滑っていく。
そしてもうひとつは、マッチ箱のような小さなオルゴール。
表面にはネズミと人参の絵が描いてある。
どちらもずっと手放すことのできない優しい作品である。
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[ 2012/03/14 15:56 ] 思うこと | TB(0) | CM(0)
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