イタリア製本工房の日々

「イタリア、リミニの工房で一冊、一冊、それぞれの本の個性を探りながら製本中」でした。そして2012年からは新たな場所で活動予定。

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紙の向き

紙には紙を作る段階で紙の繊維が通る向きがある。
例えばA4の紙の長い方の二辺のそれぞれを左手、右手で持ってみる。
紙を持ったまま左手右手を近づけると紙が軽く紙がしなる。
次にA4の紙の短い方の二辺を持ち、同様の作業をやってみる。
すると、紙がしなり易かった方と、そうでは無い方向がある。
実際折り曲げてみても、折り曲げて折り型がつき易い方向とそうではない方向がある。

薄い紙だと繊維に逆らう方向でもしなり易いため
繊維の向きがわかりにくいので、少し厚手のもので試してみると良い。

この紙の繊維の向きを知るためには、
紙を縦方向、横方向と切り裂いてみるのも良い。
スルッと避ける方向に繊維が通っているのである。
例えば新聞紙でもわかりやすい。(全紙試したわけではないが)
新聞に印刷された縦文字の方向と同じ方向に新聞を切り裂くのは簡単である。
よって新聞紙は文字と同じ方向に紙の繊維が通っていると言える。

そしてさらにもうひとつ。紙の上に水を少し塗ってみるという方法もある。
紙の厚さなど紙質にもよるが、ほんの数秒経つと、紙が波打ってくる。
紙の繊維が走っているのと水平に波打つわけだ。

さて、なぜ紙の繊維を知る必要があるかと言えば、
この繊維と並行になるように本を作るのが一番ベストな形であるから。
紙は湿度によって、紙の繊維に沿った方向に水平に若干ではあるが伸びたり縮んだりする。
本の背と紙の繊維とが水平に本が作られている場合、この伸びたり縮んだりがあっても
本の構造上、無理が無い。
逆に本の背の方向と垂直になるように本文ページが印刷されている場合、
本を開いたとき、本文紙が妙な具合でうねうねと波打つのである。
これは、本の背部分はしっかりノリなどで固定されているにもかかわらず、
ページをめくる見開き(前小口という)側は何の遮りもないので、紙が好きに伸縮してしまうのだ。
これでは、本の背にも負担がかかるし、本としても美しくない。

理想は、印刷する段階で紙の向きも考慮し、本を作るということではあるが、
しかし、ここで問題になるのがやはりコストである。
そして、何よりも貴重な紙の場合、多くの無駄を出さない向きを見つけたい。
このため、紙の向きは無視される事も多い。

もし、自分で書いたものを印刷する、
好きな紙を購入してノートにしてみる、
ホッチキスだけの簡単でもいいから一冊に綴じてみようと思われる時、
ちょっとだけ、この紙の向きを気にしてみると良いと思う。
見えない部分ではあるが、
このちょっとした工夫でずいぶんすっきりした仕上がりになるはずだ。
特に、紙を一折りして綴じるのであれば、なおさら、
この一折りがし易い方に印刷し、綴じると、
ホッチキス留めの部分が波打つことがほとんどないであろうし、
紙の繊維に逆らうよりも紙の角の方がクルクルと巻くことも随分防げる。
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[ 2012/03/28 06:11 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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